“育休移住”とは
育児休業中、他の地域に一時移住をして子育てをすることを指します。
それを略した言葉が、“育休移住”です。
育児休業中は、育児給付金が支給されます。
育児給付金額は、休業開始から6か月まで基本給の67%、それ以降は基本給の50%が支払われることは知っていますか?
つまり、物価の安い地域であれば育児給付金だけで生活費を賄うことが出来るのです!
物価の高い国であっても、通常の移住よりもはるかに安い金額で移住生活を送れますね。
移住する地域は、海外・国内どこでも可能。
それぞれの家庭で、子どもたちの状況に照らし合わせて、自由に選択することが出来ます。
私たちの場合は、育児休業を1年取得し、その間は家族5人でフィジーに育休移住しています🌴
フィジー移住には3人の子ども(5歳・2歳・0歳)を連れているので、毎日のんびり…というよりは賑やかな生活ですが笑。
育休移住をするメリット
なぜ育休移住なのか?海外・国内の選択で変わってきますが、育休移住をするメリットを紹介していきます。
家族と向き合う時間が増える
移住をすると、日常の人間関係・日本の慌ただしさから一時的に距離を置くことになります。
それは、心と時間に大きな余裕を生み出します。
生まれた余裕で、家族との時間・今まで気づかなかった子どもの成長・自分自身について考えることが出来るでしょう。
ちなみに、私は家族と向き合う時間が増えたことで、一か月で1万4千枚、子どもの写真を撮っていたようです(関係ないか笑。)
憧れの地域に住める
『子どもは自然豊かな場所で育てたい』と考える親は少なくないのではないでしょうか。
その他にも
- 将来の夢だった南の島で暮らしてみたい
- ニュージーランドに住んで大自然を感じたい
- 子どもに手厚い北欧で子育てについて考えたい
など、それぞれ憧れの地域が心の中にあるのではないかと思います。
しかし、実際に今の仕事を辞めて、その地域で就職先を探すことは大変ですし、生活費の問題にも直面します。
今住んでいる地域・職場で培ってきた人間関係を置いてまで住みたいかと言われると、そこまででもないし、将来の夢にとっておこうと思ってしまいますよね。
“育休移住”であれば、移住期間が決まっていて、その期間の収入源があって、復職の保障もあります。
今、世の中的に国内外に移住する方が増えていますが、『こんなはずじゃなかった…』というケースが増えていると聞きます。
それを防ぐためにも、将来移住したい地域があるのであれば、トライアルとしてその地域に育休移住してみると良いでしょう。
価値観を広げられる
新しい環境に身を置くことで、子どもと私たち親の価値観を広げられます。
『人生100年時代』と言われている世の中で、親は子どものために自分自身の成長をないがしろにして良いわけではありません。
私たち親世代も価値観を広げて人間として成長していければ、きっと子どもたちに伝えられることも変わるでしょう。
その地域で生活をすることによって、その土地の文化や国民性を肌で感じることが出来ます。
その経験を通じて、価値観の広がりを得られるでしょう。
私の場合は、日本と対極にある価値観を体験したいという考えから、『世界幸福度調査』ナンバー1というフィジーの国を選びました(ちなみに日本は2017年25位、2018年18位)。
幸福の秘訣は、分かち合う文化と海外特有の適当さにあるようです。
育休移住1年後、自分自身すごく変わっているかもしれないし全く変わっていないかもしれないですが笑、
日本に住んでいたら仕入れることが出来ない、枠外の価値観を仕入れに行ってきます。
移住先の言語が学べる
移住先を海外に選択する場合は、生活を通して移住先の言語を習得できます。
英語圏であれば、英話が話せるようになりますし、本人の努力次第でビジネスで通用する英語力の基盤まで養うことが出来ます。
“親子ともに”習得出来るということがポイントです。
親になると、子どもの教育のことで頭がいっぱいで、自分の留学や海外就職の夢なんてとんでもない、と選択肢から外して生活している方が多いのではないでしょうか。
“育休移住”は、親になったからこそ浮上する選択肢です。
子どもの教育とご自身の自己研鑽がどちらも実現できる良い機会ではないかと考えています。
一年間も育休を取ったら将来が心配だ…と不安に思う方もいらっしゃいます。
しかし、ここまでのメリットをあげると『育休はブランク』ではなく、『育休はブラッシュアップ』という捉え方も出来るのではないかと思います。
育休移住をするデメリット
メリットだけ見るとすぐに育休移住したくなる気持ちになりますが、もちろん苦労もあります。
以下で、実際に育休移住をして感じているデメリットを紹介します。
事前準備が忙しい
地域選び・情報収集・役所周りの手続き・渡航の手配・荷造り等の一連の準備を、出産前後に行います。
想像しただけでもめまいがしますよね笑。
当時、“育休移住のやり方”は、実社会にもインターネットの中にもなかったので、病院の渡航外来に行ったり、役所に行ったりして調べていました。
結局、調べても確かな情報がない場合もあって不確定要素が多い中で渡航しましたが、無事に入国できた初日、色々なことの答え合わせが出来て非常にすっきりしたことを覚えています。
(例えば、フィジーの場合は4か月滞在OKですが、フィジー在日大使館からは『2週間というケースもある』とおどされていました笑。)
今は事前準備の方法をマニュアルにまとめているので、もう少しハードルが低く育休移住が出来ると思います。
参考:【ロードマップ】育休移住実現のために考えるべき7つの観点
参考:これさえ見れば安心!出産から日本出国までの準備&スケジュール
日常生活の快適性が下がる
慣れない地域での生活は不便が伴います。
移住してからは、まず気候・食事・住居に身体を慣れさせることになります。
フィジー移住の経験上、これらは意外とすぐに時間が解決してくれます。
例えば、海外生活では食事が口に合わないとよく言われます。
子連れで海外移住する場合は、なおさら気になる点でしょう。
しかし日本食レストランに行けば出費がかさみますが、現地で味噌・醬油を買って日本食にアレンジすることは意外と簡単で食費もかかりません。
それを踏まえても、長年住み慣れた場所と比べるとどうしても快適性は下がります。
体調を崩せば医療機関のお世話にもなりますが、海外での受診は不安が伴います。
しかし、『快適(便利)=幸せ』ではないないので、慣れない状況をいかに新鮮味を持って楽しめるかが、充実した移住生活の秘訣になってきます。
夫婦の家事育児の負担が大きい
移住当初は、頼れる人がいないので、子どもを夫婦のみで育てることになります。
そのスキマ時間に家事もやらなければなりません。
物理的な時間も取られますし、子どもの意識を向ける先が親に偏るので、息つく時間がなく精神的にも負担がかかります。
そのため、男性の家事育児は、同じ水準の貢献が必要になってきます。(男性の皆さん、ここは踏ん張りどころです!)
子どもの教育への重圧が大きい
日本には、祖父母・友人・地域の人・保育園の先生・子どもの友人・その親御さんなど、たくさんの人たちがいます。
普段生活していると意識しきれないほど多くの人とコミュニティが、子どもたちに、言葉・感受性・人との関わり方を育ててくれています。
移住当初は、まだ地域の人間関係が出来ていないので、親だけが子どものつながりになります。
その時、親の会話や細かな一つ一つの動作や行動が子どもに鏡のように反映されます。
それが親としての重圧につながってきます。
現地での人間関係を作り、家族で移住をして複数の大人の価値観が入るような環境を作ることをおすすめします。
育休移住を選択肢の一つにする
育休移住をするorしないは個人の自由ですが、選択肢の一つとしてあっても良いのではないかと思っています。
実際にフィジーに育休移住をしていると、家族5人の健康と安全を守る重圧を感じる時もあります。
しかし、Instagramで栄えある『今、日本人で一番人生を楽しんでる家族』の称号をもらったように、それを上回る貴重な経験が出来ている実感を持ちながら生活が出来ています。
“育休移住”なんて、少し興味があるけど、そんな思い切ったことなんて出来ない。
今まで聞いたことがない。
たまたま育休を取れる会社に入ったから出来るんだ。
実際に行動に起こすには、様々な壁を乗り越える必要があるかもしません。
だから前例主義の日本に前例を作って、かつマニュアル(育休移住.com)を作り実践しやすい状態にしておくことが自分の使命だと勝手に考えています。
ぜひ、検討してみてください。私でよければ相談に乗ります!